2009年、音楽回想。


あけましておめでとうございます。ついに2010年突入ですね。響きが未来世界だ…と思ってしまうのは私だけでしょうか?(笑)

昨年末になりますが、人生で初めて「その年に聴いた音楽を振り返る」ということをしてみました。iTunesのプレイリスト機能を使って2009年によく聴いた音楽をCD1枚にまとめるのです。厳選の結果、私の2009年ベストソングは以下18曲に絞られました。PP BOOKSTOREを代表する音楽好き・早崎さんに教えていただいたアーティストもちらほら。

1.Perpetuum Mobile/高木正勝
2.Sexy Boy/Air
3.Idiot/James Holden
4.Noah's Ark/CocoRosie
5.Green Grass/Cibelle
6.Etude,Op.10,No.5 In G Flat(Black Key)/Vladimir Horowitz
7.Tricycle/Psapp
8.Julia/The Beatles
9.Blessed Brambles/Múm
10.Fire,Fire/Double Famous featuring Leyona
11.帰って来たヨッパライザ・フォーク・クルセダーズ
12.幸福な朝食 退屈な夕食/斉藤和義
13.jelly fish/My Little Lover
14.Cruel Park/原田知世
15.Himitsu No Hako/Eberg
16.Schumann:Kinderszenen,Op.15 - About Foreign Lands&Peoples/Martha Argerich
17.おとなになんかならないで/曽我部恵一
18.サボテンの花/チューリップ

音楽を振り返ることは、自分用の日記を読み返すことによく似ています。例えばその曲を聴いていた6月頃の帰り道の、柔らかな雨の匂いや凛とした空気、葉を躍らせる水滴の弾み、その瞬間心の中で駆け巡っていた様々な感情…そんなものたちがまるで昨日のことのようにありありと思い出され、忘れていた感覚が瑞々しく蘇ってくるのです。

“聴くこと”を楽しくする要素には、音楽としての完成度はもちろん、それと同じ位情景や感情といった“自分だけの色”のようなものの存在があると思います。人は音楽を聴く際、音そのものを楽しむのと同時に各々の心の奥底にある多様な感情や情景を思い描いたり(それもほとんど無意識的に)、周りの環境を記憶したりするものです。同じ曲を何度も聴いていると、諸々の記憶あるいは変化してゆく一瞬たちが一粒一粒の音符に絡みついて、その音楽が不思議なほど近く、濃く、愛おしく感じられることがあります。それらの要素は常に躍動・変容しながら音楽に重厚さと多様な輝きを与えます。私はそういう音楽の楽しみ方が好きです。

今回やってみてとても面白かったので、これからは毎年末に1年分の音楽をまとめようと思います。10年、20年と続いたら楽しいのですが。興味のある方がおられましたら、2009年の記憶が新しいうちにぜひ一度お試しください。きっと色々な発見があることと思います。

Text by NANASE