Cibelle

【MUSIC REVIEW】

ブラジル、サン・パウロ出身の現代音楽家Cibelle。伝統的なブラジル音楽やボサノバとエレクトロニカを混ぜ合わせたユニークな音楽をつくっています。ブラジリアン・エレクトロニカの立役者Subaらのアルバムに参加しています。

“GREEN GLASS”(2006年)はTom Waitsのカバーで、(冒頭で紹介しておきながら…)ブラジル色もエレクトロニカ色も強くないですが、やわらかな歌声と切ない空気感が何とも言えなく美しく、彼女の音楽世界の底深さを象徴しているような気がします。私はこのミュージック・ビデオを見て、彼女を好きになりました。浪漫的な情緒が溢れ出す一方で、同時に、どことない無気力感と冷笑的なリアリズムが漂うような。そんな印象を受けるのは、私だけでしょうか。

圧倒的な存在感と目を瞠るような色気、次は一体何をするんだろう?!と思わせてくれるような創造力。私はこういう、カラフルな女性が好きです。色々な音楽をつくっているので、とにかく一度聴いてみて欲しいと思います。

Text by NANASE