2009-11-01から1ヶ月間の記事一覧

動物写真家・星野道夫

【BOOK REVIEW】 『星野道夫の仕事(全4巻)』(1998年、朝日新聞社)大都会の片隅のとある図書館。何気なく表紙をめくった途端、私の目の前には、茫漠としたアラスカの大自然が広がりました。人一人いない広大な大地。厳かに聳え立つ巨大な山々。純白の雪原を走…

ブリキのおまるにまたがりて

【BOOK REVIEW】 長新太『ブリキのおまるにまたがりて』(1974年初版/2008年復刻,河出書房新社)こんにちは。最近めっきり寒くなってきましたね。先日とあるお店で「トウガラシ成分・カプサイシン加工の手袋!」とやらを見かけました。確かに暖かそうではあり…

ミツバチのささやき

【MOVIE REVIEW】 『ミツバチのささやき』(ビクトル・エリセ、1973年) 先日、早稲田松竹にてスペインの監督ビクトル・エリセの映画を見ました。『ミツバチのささやき』は、一篇の長い抒情詩のような映画です。いつだって「子ども」という存在が抱えるもろく…

レヴィ=ストロース追悼

先月の30日、「構造主義の祖」といわれるフランスの人類学者クロード・レヴィ=ストロースが亡くなった。100歳だったという。レヴィ=ストロースの構造主義は、各社会において人間を本質的に支配している無意識の「構造」を明らかにした。個人を支える価値とい…

愛しい想像力!

“想像力”―それは誰もが持つ魔法のような力。我々は多くの場合、周りに存在する多種多様な事物(目に見えないものも含む)を当たり前のように受け入れ、まるでそれが当然であるかのように、何食わぬ顔で、現実生活を営んでいる。お気に入りの映画や音楽、小説et…