スズキコージさんのこと

【ART REVIEW】

あけましておめでとうございます。ついに2009年に突入しましたね。100年に1度の経済危機なんかに負けず、楽しく充実した1年にしたいものです。

昨年の暮れ、絵本作家スズキコージさんのライブペインティング作品(巨大絵)を見にThe Artcomplex Center of Tokyoを訪れました。展示は12月28日に終わってしまったのですが、とても素晴らしかったのでこれを期にスズキコージさんの芸術をご紹介したいと思います。

スズキコージさんは、絵本だけでなく漫画・絵画・オブジェ・ポスター・舞台装置など幅広い分野で活躍する多才なアーティストです。全てに共通するのは、一目見たら忘れがたい圧倒的な個性と存在感。とにかく色んなものものがごちゃごちゃに混ざり合って、一つの画面にはいくつもの色と、時間と、音楽が流れている。東南アジア、中南米など世界中を旅する画家というだけあって、その作品には様々な地域の民族芸術の影響が見受けられます。人間や動植物が持つ素朴な生命力が溢れていて、見ているだけで胸がドキドキしてしまいます。

先日、書店でスズキコージさんが挿画を担当した絵本『注文の多い料理店』を見つけました。小さな頃から読んできた馴染み深い名作ですが、とても新鮮な感動がありました。文字の一つ一つと絵の一つ一つが心地好く呼応して、一ページ一ページが美しい。もちろん文章を生かしながらも、あの名作をあんなにまで自分の芸術として表現してしまう彼の才能には感服の思いです。

他にもたくさんの絵本作品があり、どれも素敵なものばかりです。書店で見かけたら、ぜひ手にとって見てくださいね。

Text by NANASE