2008-01-01から1年間の記事一覧

恋するふたり

【BOOK】シュペルヴィエル『海に住む少女』永田千奈訳(06年/光文社文庫)シュペルヴィエルを知っていますか?19世紀末にフランス人の両親のもと南米ウルグアイにうまれ、フランスとウルグアイふたつの国籍をもちながら、フランス語で詩や小説を書くことをえ…

チェコ旅日記(2)

こんにちは。チェコ旅日記2回目の今日は、チェスキー・クルムロフという小さな田舎町をご紹介します。 チェスキー・クルムロフは、プラハから電車で約4時間のところにあるとても小さくて美しい町です。1992年には世界遺産にも加えられました。本当に小さな町…

「イームズの写真」

【ART】イームズ、その名前を聞くとあのゆるやかに曲線を描くプラスチック製のシェルチェアを思い出す人が多いでしょう。近年のカフェブームやミッドセンチュリー家具の大流行で、日本にすっかり浸透したイームズのプロダクツ。その偉大なデザイナーの頭の中…

チェコ旅日記(1)

こんにちは。この度一週間ほど、幼き日からの憧れの国・チェコ共和国を旅してきました。そこで今回から三回に分けて、チェコ旅日記をお送りしたいと思います。長い間社会主義体制下にあったこともあり日本ではあまり馴染みが無いかもしれませんが、チェコは…

「椿会展 2008 Trans-Figurative」

【ART REVIEW】先日何気なく本に目を通していた時、ある言葉が胸に刺さりました。 「炭鉱のカナリヤ」 作家カート・ヴォネガットが生前のインタビューで、文筆家を含む芸術を担う人々の社会での役割を問われた際に答えた言葉です。非常に先鋭的な表現ですが…

「鴻池朋子 隠れマウンテン&ザ・ロッジ展」

【ART REVIEW】こんにちは。今日は中目黒のミヅマアートギャラリーで開催中の〈鴻池朋子 隠れマウンテン&ザ・ロッジ展〉を紹介します。文字通り登山をするように建物を上昇しつつ鑑賞するサイト・スペシフィックな作品が展示されています。ギャラリーが入っ…

サイトも徐々に夏ヴァージョン。

こんにちは。オフィシャルサイトのトップ画像が夏ヴァージョンになりました。ぜひご覧ください。今回も撮影は、友人でデザイナー、aji-gomi主宰者でもあるクリエイター87さんにお願いしました。1日から実施しているセール「まとめ買い割引」と「送料無料キャ…

ジャリおじさん

【BOOK REVIEW】 大竹伸朗『ジャリおじさん』(1993年/福音館書店)ジャリジャリ。今日ご紹介するのは大竹伸朗による絵本『ジャリおじさん』。大竹伸朗といえば絵画や造形など多彩な分野で世界的に活躍する日本人現代アーティストですが、実は絵本も描いていま…

Fischli&Weiss

【ART REVIEW】 こんにちは。今日はアート系映像のDVDを紹介します。 80年代初頭よりスイスにてアート・ユニットとして活動しているPeter FischliとDavid Weissによる、"Fischli&Weiss"の『ゆずれない事(1981)/正しい方向(1983)』です。これは彼らの初期作品…

songs in our pocket

こんにちは。年度があたらしくなり、早、一ヶ月。さきほどプロフィール欄のスタッフ紹介を一新しました。左ナビの本棚の写真をクリックしてご覧ください。新年度、フォルムコーポレーションのスタッフも相応の入れ替わりがありました。仕事とはいえ、「別れ…

カリプソ娘

【MUSIC REVIEW】 浜村美智子『カリプソ娘』,2003年こんにちは。暖かい日が続いていますね。洗濯物を取り込むと太陽の香ばしい香りがして、思わずにやけてしまう今日この頃です。さて、今日ご紹介するのは暖かい季節にぴったりなアルバム、浜松美智子の『カ…

期間限定セールのお知らせ

(画像:休日は恵比寿のカフェの窓際でビールを飲みながら読書)こんにちは。本日はセール(5/1-5/11)のお知らせです。初夏は秋とならんでとても読書に向いている季節。本好きのスタッフたちは昼間は本屋ではたらき、夜は愛読書片手に音楽を聴く寝不足な毎日。…

「MALIO GIACOMELLI」展

【ART REVIEW】こんにちは。 今日は先日見たアマチュア写真家の先駆ともいうべきマリオ・ジャコメッリの展覧会を紹介します。イタリア北東部に生まれた彼は、生涯印刷業を営みながら撮影を続けました。彼の特質を語るに最も適した作品は、《私には自分の顔を…

竹久夢二 大正モダン・デザインブック

【BOOK REVIEW】 『竹久夢二 大正モダン・デザインブック』(2003年/河出書房新社)突然ですが、大正ロマンって素敵だと思いませんか。激動の時代の狭間で燦然と咲き誇り、早々と散っていった一つの時代。そんな大正という時代には、今なお輝きを失わない独特…

耽読サイード

久しぶりに、サイードをまとめて読み返そうと思い経ちました。というのは、僕の住んでいる街にある、わずか7席の小さなバーの、僕と同い年のバーテンダーが「サイードなき今、誰を読めばいいんだろう?」と言ったから。「出藍の誉れ」としか形容のできない本…

略画辞典/図案の手帖

【BOOK REVIEW】 左から『略画辞典』(1957年/野ばら社)・『図案の手帖』(1957年/野ばら社)こんにちは。4月とはいえまだまだ寒い日が続きますね。マフラーをしまうのはいつになるのでしょうか。皆さんくれぐれも風邪にはご注意ください。さて、今日ご紹介する…

雨、あめ

【BOOK REVIEW】 ピーター・スピアー『雨、あめ』(1984年/評論社)こんにちは。東京では桜も満開を迎え、季節はすっかり春ですね。さて、今日ご紹介するのはオランダ出身のイラストレーター、ピーター・スピアーの『雨、あめ』という絵本。物語は雨の中レイ…

Le sujet de ce livre n’est pas neuf

こんにちは。本日は海外の写真集など30冊が入荷しました。瀧口修造のエッジの利いた訳文による、ドアノー自身の写真論を巻頭に収めた図録『ロベール・ドアノー』、ピカソ、モンローなど著名人を撮影したアーノルド・ニューマンの写真集『FIVE DECADES』、建…

きょうの猫村さん

【BOOK REVIEW】 ほしよりこ『きょうの猫村さん1-3』(2005年〜/マガジンハウス)2年ほど前だっただろうか。帰宅途中に何気なく立ち寄った書店で、私は彼女と出会った。彼女というのは猫村さんその人(猫)である。その、いかにも「猫」な姿を一目見た瞬間、…

HOLGA写真館

こんにちは。今日は愛用のカメラと、撮った写真をご紹介します。HOLGA「MICRO-110」という名のこの小さなカメラ。本体の構成は、レンズ、シャッターボタン、のぞき窓の3点のみ。4、5年ほども前に、青山の「ワタリウム」のすぐ近くの、写真集などを専門に扱っ…